Last update: 1999/09/15
大昔の35mm一眼レフ用ベローズ(蛇腹:ペンタックス用)が遊んでいたので、デジカメ(CoolPix900)にくっつけてみました。使い勝手はなかなか良好。ファーブルにデジカメを載せるより安定しててぶれないし、画質的にもいくらか良い感じ。
1999/09/15
QV-8000SXを載せる記事もあります。
倍率が大きくなるので、しっかり固定しないとダメ。また、照明等も十分に明るくて使いやすい必要があります。
本体は3枚の板からできています。ベローズを固定する板は、十分な厚さ・重さが必要です。具体的には、半端ものとして売っていた30cm x 11cm x 2.5cm の化粧合板を使いました。これを垂直に立てるための足として、2枚の合板(幅9cm、13mm厚)を5mmのネジ4本で止めるようになっています(鬼目ナット使用)。ネジを外せば、収納・運搬に便利です。また、工作精度が悪くても、かなり調節がききます。試料をのせるステージの部分は3mmのアクリル板。はずして使うこともできます。
メインには、6Wのツイン蛍光管を使用。専用ソケットがありますが、入手しにくい上に大きいので、サークライン用のソケットを使用して自作。
安定器、スターターなどは別の容器(ウメボシのいれもの:上のオレンジ色の丸いもの)に収納し、蛍光管の部分だけを足にのせて、試料を至近距離から照明できるように作りました。ここの固定も単にはめ込んでいるだけなので、必要に応じて位置や角度が変えられます。
なお、普通の顕微鏡や実体顕微鏡用に使うには、安定器などもいっしょにしておいた方が、ずっと便利です。各種部品は東急ハンズで入手可。
補助光源として、12V35Wのハロゲン電球を使ったクリップ式のスポットライトを、足の部分に固定できるようにしました。至近距離で照射するので、かなり明るいです。サイズもちょうど良い感じ。しかし熱が出るので、長時間使うのは無理で、あくまでも早いシャッターを切りたいときの補助です。商品展示用などとして一組7000円位で売っています(高いけど、部品を買い集める手間などを考えるとまあこんなものか)。
普通のデジカメのレンズは外れないので、デジカメのレンズの手前に、もう一つのレンズを置いてやる必要があります。顕微鏡用の(広視野の)接眼レンズが適当ですが、理科教材屋など「代理店」経由でないと入手しにくいと思います。代わりに使えそうなものがないか、ただいま物色中。
カメラ固定部は分離できる | ベローズ接続部 |
手前が接眼レンズをセットできるように作った部分。接眼レンズの固定は、木片を組み合わせてぴったりはまるようにしてあります(ナイフでけずったり、逆にバルサの薄片を接着したりして調節)。ベローズに接続する部分は、右の写真のように「レンズキャップ」を利用しました。このベローズは古いペンタックスのねじ込みマウント用のものですが、これ用のレンズキャップは99年1月現在、サービスセンタで入手可能(@150円)でした。
写真のように、カメラを固定する部分と分離できるようにしましたが、この接続には特にネジなどは使ってません。無理しないで接着してしまってもよいです。
構造は、顕微鏡アダプタとほとんど同じです。CoolPix900じゃなくてもいろいろ工夫できると思います。なお、左に見える乾電池はバランス用のおもりです。
50mmレンズで | 「レンズフード」 | 顕微鏡用レンズ |
一眼レフ用のレンズを、「リバースアダプタ」を使って前後逆にとりつけるのがいちばん一般的でしょう。レンズと試料の間の距離が大きく、実体顕微鏡に近い感覚で使えます。逆にするのは、拡大撮影では、普通の撮影と<被写体−像>の大きさの関係が逆になるからです。また、レンズの先端にレンズキャップを加工して作った「レンズフード」をつけたほうがいいようです。
このベローズの場合(マウント部からデジカメレンズまで約19cm、接眼10倍)では、標準の50mmレンズを使うと、試料をフィルムケースにいれたままで撮影できます(撮影範囲は3.2mm x 2.4mm程度で、ファーブル使用の場合より高倍率)。広角の35mmレンズを使えば倍率をもっと上げられますが、作業距離が短くなってしまいます。
更に倍率を上げたい時は、普通の顕微鏡用の対物レンズをとりつけて使うこともできます。その場合には「ボディキャップ」を加工して使用します。
そのうち、これで撮影したのがお目見えすると思います。
公開: 1999/02/01