口(頭盤)が開いたところのアップ。実に怪しい雰囲気…。
水槽のゴミを調べていて発見しました。いやー、いろいろ面白いものが見つかります!
こういう感じで水面に浮いていました(右図)。茶色いのはマツモの軸の節(葉が放射状に出るところ)が、腐らず残っているもの。
黄色い三角印が2つありますが、左側がそれです。
ちなみに右の三角印は、これも付着していたマミズクラゲポリプ(Craspedacusta sowerbyi)。実はこっちもちょっとオドロキなので拡大図をあげておきます。マミズクラゲのページ。などを参考にご覧ください。
さて、この付着生物、最初は上の左のように見えていたのですが、そのうち動くのを発見。つぼみが開くように見る見るうちに動いて、右のようになりました。思わずコーフン。なんですか、これは?!
ムービー(Animation GIF files)もあります。
収縮は速くて、15 frames/secのムービーファイルから2秒分をGIFにしました。
伸展の方はゆっくりなので、スチルで撮影したものからムービーにしました。前見たときはもう少し速かった印象がありましたが、今回は5分位かかってます。撮影間隔は正確ではありませんが約20秒で、15コマ。
また、伸展の様子も今回見ると少し印象が変わりました。でも、最後のほうで折りたたまれてたのが開くのがよく分かります。
問題はこの正体。ぜんぜん分かりませんでしたが、皆さんのお力にすがってなんとか解決しましたのでご報告しておきます(淡水コケムシの Dr. T.S. Wood とfmizube#3 村山茂樹さんに感謝します)。
なんと御両人ともに、ハナビワムシ科のワムシだろう、とのご意見。 「えっ、ワムシ、繊毛もないのに?」と思いながら本を見たら、出てました。それらしい写真と説明。一応前にも見たはずなんだけど。その気でないと見えない、というやつですね。 (Ecology and Classification of North American Freshwater Invertebrates: pp. 226-227.)
説明を読むと、Order Collothecacea の Family Collothecidae(ハナビワムシ科)は、
trophi(咀嚼器)はuncinate。corona(頭盤)には典型的な繊毛を持った部分がない。 そのかわりに漏斗として開く。漏斗の縁に長い剛毛を持つものと持たないものがある。
- 剛毛を持つもの: Collotheca, Stephanoceros
- 持たないもの: Acyclus, Atrochus, Cupelopagis
と書いてあります。剛毛はどうしても見えないんだけど、この本のp.227にあるCollothecaの写真、剛毛があるはずなんだけど写ってない。だから、うーむ、これ以上どれかは今のところ分からないなぁ。
しかし、それにしてもこれがワムシだなんてズルーイ! 参考:「ハートのワムシ」
その後、これがハナビワムシに違いない!というのを発見しました。このページのやつは、確かに似てるけど、比べるとかなり違います。やっぱり剛毛はない模様だし。ということで、タイトルは「ワムシ"X"」と変更します。