情報・文献の収集

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Last update: 2005/07/10


"Study Nature, Not Books!"

という有名なコトバがあります。 これはルイ・アガシー(1807-1873) の言葉だそうですが、 自分の目で見て自分の頭で考えろ!という話で、 自然の勉強をする人々にとって、実に正しい座右の銘であります。 しかし、そうはいっても先人の智恵を借りたい事もしばしば。 そのための、アマチュアにとっての情報・文献収集についてのTips。

アガシーの件については鈴木忠様にご教示いただきました。ありがとうございます。


Web

いろんな情報提供サービスが出てきて、とても便利になりました。 どんなものがあるのか知るには、このページを見ると良いでしょう(ほんとにすごい。網羅しすぎかも?)

生物系のこうしたサイトもいろいろあるようです。生命科学系といった方がよさそうで、私にはあまり関係ない感じなんですが、まぁ話のタネに最近教えていただいたのをひとつ。

なお、常識的な注意ですが、セキュリティにはご注意。 有料のサービスでクレジット番号などを送る時は、できればFax、 少なくともSecure Serverでないとコワイです。 また、検索を始めるとあっという間に時間がたちますから、そのへんもご注意を。

1) 一般サーチエンジン

調べものといえば何はともあれサーチエンジン。昔からいろいろありましたが、 今では Google で決まりという感があります。 キャッシュされているので、消えてしまったページもある程度読めます。 画像検索もかなり使えます。

でも、たまにはいつもと違うエンジンを使うのもいいかも。海外のものも出てます。

ところで、Webにページを持っている方は、 ロボット型のエンジンに注意しましょう。 非公開のページなどでも、ロボットは検索しちゃいます。 本格的にはパスワード入力などで対応しないとダメですが、 とりあえずmetaタグでの対策あり。

2) 百科事典

一部フリーで使えます。

3) 文献検索データベース

古い文献は検索不能なので、個人的にはあまり使ってませんが、 メディカルプラザの「医学文献検索」が非常に参考になるので、ご覧になることを薦めます。

無料のものだと 米国 NIH にある PubMed あたりが定番のようです。上記サイトにPubMedの使い方のページがあり詳しい解説が日本語で読めます。

有料のものも、検索だけなら無料の場合が多いようですし、 注文すれば文献を送ってくれます。ただし、一件につき10ドル以上程度はかかる模様。 最近はファイルをe-mailで送ってくれるサービスもあるようなので、 場合によっては有効だと思います。例えばこんなの。

4) 図書館目録情報

雑誌や図書の所蔵状況がWebである程度わかるようになってきました。 図書館利用の前に調べておくと能率よく作業できます。 例えばこんなの。

5) その他(本屋など)

洋書の通販は安いし便利です。amazon.comとか見てみる価値あり。

2000/07/25追記。最近は国内でもいろいろあり。本屋・図書館関係ならここを見るのが吉。


図書館

図書館と一口に言いますが、その内容は実に様々です。 また、図書館を利用する場合、その人の置かれている条件でずいぶん利用しやすさが違います。

  1. 所属
    大学・研究所等の図書館を利用する場合、そういった組織に所属する方が一番有利(学生さん含む)。学校の教員などはその次。完全な個人だとかなり面倒かもしれない。でも博物館などは公共図書館並みにオープンのようです。
  2. 居住地
    大きな図書館の密度などから、東京在住者は大変有利(そうでない人は非常に不利)。複写郵送サービスなどを受けられる場合もあるが、時間とお金がかかりがち。

複写料金は図書館に頼むと、おおむねB4一枚35円程度のようですが、 もっと安くてすむこともあります。 ただ、本が痛んでいて特別の業者にたのむとか、 マイクロフィルムから複写というような場合、 一枚100円超になることもあります。

公共図書館

地元のなるべく大きな図書館をチェックしましょう。 都道府県の中央図書館といったところなら、ある程度資料を持っています。 特に地域の生物誌のようなものについては要チェック。 また、情報収集についての相談もある程度は受けてくれます。

市立図書館などでも、こうした図書館と連絡して資料を取り寄せてくれることもあるので、相談の価値あり。

別格の公共図書館として国会図書館があります。 ここは決して利用しやすい図書館ではありませんが、 さすがに資料は相当あります。 国会図書館の利用については別に書きました。

大学・研究所等の図書館

まず、目録情報 をWebで調べた上で連絡して見てください。 対応は様々だと思います。 すごく親切にしてくれることもありますし、 感じ悪いこともあります(怒っちゃいけない、が…)。

利用にあたっては紹介状や身分証明を求められる場合もありますので、 その辺も聞いて見てください。

外国の図書館

どうしても日本にない資料の場合、外国に頼むことになります。 アメリカ議会図書館の複写サービスなどが使えます。1件10ドルが最低料金なので、そう沢山は頼めませんが、 手続きは驚くほど簡単です。

イギリスのBritish Libraryでやっている BLDSCというのも有名らしいですが、詳細は知りません。


付録:国会図書館の利用法

2005/07/10 追記

先日、東京本館へ行ってみたら、以前と随分様子が違っていました。2004年秋頃に変わったそうです。以下の記述は実際と違ってるところもありますので、「最近の国会図書館(東京本館)」もご覧下さい。

2003/04/05 追記

最近、国会図書館・関西館が開館しました。これに伴って、本館の洋雑誌のほとんどが関西館に移動したそうです。利用者登録をした上で依頼すれば、本館に取り寄せての閲覧も可能だそうですが…(知らないで出かけてショック受けないように)。


国会図書館の公式なページ を見ていただければ、そこにもある程度は書いてあるのですが、 補足をいくらかしておきます。 だれでも(満20才以上なら)利用できる図書館ですが、 実際に利用するとなるとなかなか大変な面があります。 出かける前に、以下のことを知っておいた方がいいと思います。

まず閲覧室に書架がありません (閉架式。少しは出ている本もあるのだけど、カタログなど、特別のものだけ)。 利用者は見たい資料を請求して、しばらく待ちます。 すると本や雑誌が書庫から出てきて、それを見たり複写依頼をし、 終わったら返却する、というシステムです。

当然ながら慣れないとかなり面倒ですし、時間もかかります。 まず、漠然とした請求はできないので、 カタログやカードを見て請求に必要な番号を調べます。 これは都道府県図書館などでも、ある程度調べられるので、 あらかじめやっておく方が絶対いいです Webにもカタログがあります。

これだけならまぁよいのですが、一回に請求できる数に制限があります (基本的に一回請求票2枚まで)。 また、資料が出てくる時間がかなりかかる(数十分)ので、 一日中いても調べられる資料はかなり限られます。 またコピーも、一回に複写できるページ数、 一日の複写依頼回数が決まっています。 いきおい、なかなか作業が進まずイライラします。 なお、これらの情報はすべて入館カードで一括管理されてますので、 ズルはできません。

利用者が多いとか、管理の都合とかあるので、 考えてみれば致し方ないのですが、 知らないで出かけるとガックリすると思います。肉体的にもすごく疲れます。 でも、確かに資料は豊富ですから、他で入手できない場合は、 十分な準備をした上で、気合を入れて出かけてください。 健闘を祈ります。


公開: 1999/12/19