先日某所(海)にて採集したヒドロクラゲについてのご報告。
なお、このクラゲの正体ですが、エイレネクラゲ科 Eirene 属の一種ということです(感謝>ドリーさん@jfish)
かさの径は8mm程度(同一個体)
ヒドロクラゲというのはクラゲのうちで「ヒドロ虫綱:HYDROZOA」といわれるグループ。まみずくらげもこの仲間です。種類がとっても多いのですが、1cmもないような小さいものが多い。このあたりの解説はまたの機会に。
jfish恒例のoff会。前日かなり雨が降ったこともあってか、いつもの場所でクラゲを探すが大きなものは全く姿見えず。今泉さんが「今日はだめですね」といいながら、柄の長さ1.5m程の網を水面下に入れてすくっているうち、1cmないような小さなクラゲを捕獲。これに続いて皆で岸壁から手を伸ばして…(左図:手前はヒロさん)。
でも網のなかから見つけるのが相当大変。見つけて容器に移したはずが、また見えなくなったり。大勢で採集してると、この辺強い。
大小とりまぜ全部で10個体程度は採集できました。全部同じものだったかは不明。少し違うのがいたような話もあり。上の写真は私がいただいて持ち帰ったうちの一つを昨夜撮影したもの。
ビンに入れて遠目でみたフンイキはマミズクラゲにちょっと似ていて、懐かしいです ^^; 撮影は皿にうつして「数打ちゃ当たる」でやりましたが、ゴミは写るはどっかへいっちゃうは、えらく大変だった割にイマイチ。大きな画面から切り出しています。
数えたら全部で5個体いました。 まる一日ほどたって、まだ拍動はしているものの調子は良くない感じです。 いつまで持つか?
一日たったら動きが悪くなってしまいました。が、この際なので顕微鏡でクローズアップを撮影。ガラス皿に浅く海水を入れて、生体をそのまま撮影しました(ストロボ使用)。
まず傘のふちのあたり。縮んだ触手が2つ写っています。横の線は傘のまわりを一周している環状管の一部で、この写真の下側が傘の中心方向になると思います。でも、触手がどういうふうについてるのか、まだイマイチ理解できてません ^^; 触手の基部はふくらんでます。
小さいのは、もう少し拡大した写真。上は触手の上のブツブツ(刺胞)の様子。下は丸い平衡胞の中に平衡石が入ってる様子。
もうひとつ、生殖腺らしいものも見てみました。個体によって発達が悪いものもある感じですが、放射管にぶら下がるように4つあります。この中や放射管の中でツブツブが動いてるんだけど、もしかして精子?(下:右は左の一部を拡大)
2000/11/07 追記 → 残念ながら食べ物の残骸らしいです(精子だと鞭毛のゆらめきが見えるとのこと)。
ブラインシュリンプがやっとふ化したのであげてみました。よく食べてくれて一安心。
左がブラインを食べた直後です。口柄はとてもよく動きます。末端がイカリ型になっていて、そのすぐ上(写真まん中)のオレンジ色のところが胃!? もっと上にあるんじゃないの?、と驚きました。
左の写真では、触手の付け根のふくらみや生殖腺らしいところは、緑っぽい色をしてます。しかし、しばらくたつとオレンジ色になってきました(右の写真:これはエサあげて10時間くらい経過してます)。放射管と環状管を通って運ばれたんでしょうね。
しかし、生殖腺はともかく触手の付け根のふくらみは何なんでしょう?マミズクラゲの触手ではこんなの目立たなかったんだけど。
最後にオマケ:
かなりボケてますが、これは江ノ島水族館で飼育中のもの。 Eirene sp. と表示がありましたが、上のとは別種の模様。かさの径3cm位はあったと思います。触手もえらく多いように見えます。やっぱり撮影ムズカシー。
こちらのくらげもよろしく→ まみずくらげ:目次