マイマイのうねうね

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Last update: 2009/08/19

a smail's feeding marks 妙なタイトルにしてしまいました。 写真の正体をご存知の方は、ワザトラシイ!とお思いでしょう(ゴメンナサイ)。珍しいものでもありません。でも、ちょっと面白い。

「マイマイ」というのはカタツムリのことですが、もしかしたらナメクジかもしれません。「うねうね」というのはご覧の通り。 では、カタツムリ(またはナメクジ)とこの模様がどういう関係か?

結論を言うと、彼らの食事の跡にできたパターン、模様です。 一般的に、「食痕:しょっこん」とか「食み跡:はみあと」とか言うようです。英語だと "feeding marks"。 「アユのはみあと」なんて聞いたことありませんか?

the site

場所は、こんなところ(東京都八王子市)。 道の端に作られた柵の表面に「うねうね」を発見(マウスをのせると拡大します)。

この柵の向こう(右側)は小川になっています。かなり湿気があるのか、柵の表面に「コケ」が生えています。この一部が削られ(食べられて)、地肌の黒色が出て「うねうね」模様が出来ています。

「コケ」といっても、正確には藻類です。よく、ガードレールなどが緑色になっていたりしますが、「気生藻類」といって、水中だけではなく、空気中の水分で陸上で生活している藻類が結構いるとのこと。



さて、どうやって「削る」のかという話ですが、 二枚貝以外の軟体動物には、口の中に、小さな歯が並んだヤスリ状のリボン(「歯舌:しぜつ」)があって、これを口から突き出して食物をかきとる、とのこと。 カタツムリをガラス板の上にのせると簡単に観察できるといいますが、残念ながら見てません。(むむむ…)。

歯舌については下記サイトあたりが参考になるかと思います。図や写真があります。

  • 歯と口について学ぼう! (Lion Corporation) http://www.lion.co.jp/kids/oral/oral3_4.htm
  • かたつむりの歯〜歯舌(しぜつ)〜 (増野和幸氏) http://www006.upp.so-net.ne.jp/maimai/htmpage/seikatu7.htm
  • うねうねと曲がっているのは、左右に首を振り振り、まんべんなく食べながら前進していくのでこういう模様になる、そうです。 ギザギザになっていますが、尖っている方が前になるのでしょうか?よく分かりません。一番右のうねうねしていないのだけ、方向が逆に見えます。


    Wikipedia(日本語版)のカタツムリの項目にも、下記のような記述がありました(強調は引用者による)。

    ほとんどの種は植物性のものを食べ、生の植物や枯葉などやや分解の進んだ植物遺骸などを食べるほか、菌類を餌とするもの、雑食性のものなどがあり、一般にやや広い食性をもつ。また建物壁面やガードレールなどの人工物の表面に発生した藻類も餌となり、その食痕は日常的に見ることができる

    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%83%84%E3%83%A0%E3%83%AA#.E9.A4.8C


    撮影: 2009/04/03 公開: 2009/08/19