アミーバ!
ニューロン(神経細胞)の図みたいですが、これ、昨日みつけたアメーバです。とてもびっくりしました。こういうのがいる、と話には聞いていましたが、いやーすごいや。普通のアメーバとは全然違います。
まず、仮足はまさに糸状です。ツボカムリの仲間を見たとき「足が細い」と思いましたが、これに比べたら全然太いですね。なるほどこういうのが 「糸状」なのか、と納得。
そして、複数の細胞体(というのか?)がこの糸状の「足」でつながって、時々合体したりして、まさに生きているネットワークという感じ。これは、ぜひ動画で見てください(要フラッシュプレーヤー)。シークボタンをドラッグすると早回しや巻き戻しもできます。
サイズは、足を除いた細胞質のかたまりの一番大きな部分が直径30umくらい。全体の広がりはその10倍以上。変形が激しいので、まあこんなもん、という程度ですが。上の写真の高さがだいたい 100um=0.1mm になります。動画はやや倍率低め(高さ130um位)です。
で、これの正体ですが、表題にしたように Biomyxidae(バイオミクサ科)のアメーバというのは、まず間違いないと思います。殻はなく、糸状の仮足をもっていて、それが分岐や融合をする、というアメーバのグループです。いくつかの属があるようですが、この類、まだあまりわかっていないようです。
参考:
原生生物データベースの記述をみると、このアメーバは Biomyxa か Gymnophrys ということになると思います。しかし、Patterson の本では Arachnula の図にかなり似ています ( "webbed appearance" と書いてあります。Biomyxa は足が硬く見える、とのことなのでちょっと違う? p. 81, Fig. 145)。
しかし名前とかの話はべつにしても、このアメーバ、ちょっと困っちゃいますね。この全体が一匹のアメーバなんでしょうが、中心があるようでないようで…。もしかしたら、分裂とか合体とかもテキトーにやってるんじゃなかろうか?なんて思ってしまいます(まさかねぇ、ですけど)。物を食ったりその他ものもろの活動も、この体だとどうもイメージがわかない。
それに、「足」と言ってますが、これを使って移動する、という感じはあまりありません。細胞質の連絡用通路、みたいな感じです。でも考えてみれば、根茎でつながった植物とか、菌糸が地下にひろがるキノコとか、そういうのと共通する体制か?…とにかくヘンなやつ。
映像としては、スライドガラスの傷らしい横線が残念なのですが、これはまぁ、しょうがないですね。材料は右図のような水槽から取りました。コケの近くからの数滴に入ってたようです。