これは管足。左に吸盤、ちょっとピンボケ。
以前、「ウニの発生の観察中に現れた謎のムシ2号」というのを書きました。その後、また機会がありましたので、続編みたいになりますがページにしておきます。
まずは次の写真を見てください。水槽のガラスに張り付いたウニの体を下側から見たところです。
右側は、画像の中央部を切り出したものです。先端に黄色っぽい吸盤が付いた管足が沢山あるのが分かります(真ん中の部分は口)。
トップの大きな写真は、ガラス面に吸着していたウニをはがす時に切れて縮んだせいか、管足の下の部分の色合いが生きているものより濃いですね。
そして右の図をよく見ると、口の近くの部分には、吸盤でなくもっと小さな白っぽいものが先端についた「足」があるのが分かると思います。これが、「謎のムシ2号」こと「叉棘:さきょく」という特殊なトゲです。
実は、撮影した写真を見て、「そうか、ココに生えてるワケですか…」と初めて知ったのでした…。
この叉棘、左のバックが白い写真を見ると、「首」の部分の内側にとぐろを巻いたような構造があるのが分かります。これでクネクネ動くんでしょね?
また、その下の部分を見ると、やはりこれは管足でなくて「トゲ」だな、と思います。
右は「頭」の部分の拡大です(落射照明)。ツメのようなものは3枚あって、これを開閉して物をつかむ、とのこと。
さて、岩波の生物学辞典を見ると、この頭の部分はいくつかのタイプがあるということです。前は分からなかったのですが、今回、実際に撮影できたものを次に示します。
爪状叉棘 | 葉状叉棘 | 蛇頭叉棘 |
これらは、死んだウニを入れておいた容器の底のゴミから拾ったものです。肉質の部分は大体なくなっていますが、ツメの部分はガラス質のような感じで良く残っています。
上に2枚示したのは、「蛇頭叉棘」だと思います。いかにもヘビの頭って感じです。「爪状叉棘」は似ていますが、正面になっているツメを見ると、幅が狭いのが分かります。真ん中の「葉状叉棘」の写真だけは開いた状態のを撮影。「腺嚢叉棘」っていうのは分かりませんでした。
残念ながら、どこにどういう叉棘が生えてるか、というようなことも不明。
なお、ここに示した叉棘の名前は、素人が絵合わせしたものですので、そのおつもりでどうぞ。
それから、ウニは発生の教材用に業者から宅配便で送ってもらったものです。「多分バフンウニ」ということでご了解下さい。種レベルでちゃんと同定するのはかなり大変らしいので、とりあえずパスします。