ハゼ発見

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Last update: 2002/08/24
Haze

ハゼの木にはエラい目にあったけど、今回は魚のハゼ(チチブ: Tridentiger obscurus


河川敷(親水)公園

今の勤務先のすぐ近くに、ちょっと情けない感じの「川」があります。

江戸時代に作られた人工河川で、 当時は廻船航路の発着地として重要な水路だったというこの川ですが、 昭和40年代末には埋め立てられ、現在はその上に首都高速が走っています。 もっとも、完全に埋め立てたのではなくて、 中央にちょろちょろと水を流して、「河川敷(親水)公園」として整備されています。

しかし、天井がふさがっているので、開放感というものがなく、 なんだかどうもイヤな感じ。 水も、ところどころで停滞してるような場所があって、 「ドブ」と言っちゃぁなんだけど、「川」というのもちょっとなぁ、 というところです。

実は、この前に書いた、なんじゃもんじゃの木もこの公園に植えられてます。水の流れも、埋め立てた後でそれらしく作ったのかも。このへん正確なところは不明です。

さて、今年の4月から毎日のようにここを通過して出勤していたのですが、 最近になって、魚らしいものがいるのに初めて気づきました。

「えっ、こんなとこに魚?!」… まあ、この川も東京湾につながっているのですから、 魚がいてもおかしくないのですが、意外というか、ちょっとインパクトがありました。


これはぜひとも正体を知りたい。 しかしこの魚、えらく素早くて、私にはとても捕獲できません。 そこで、釣りが好きなM山君をそそのかして釣ってもらったというワケです。

ミミズをエサにして、ものの30分もしないうちに、5匹ほど釣り上げてくれました。 大きさは7-8cm程度のものが多かったですが、その他に2cmくらいの稚魚らしきものもいました。

捕らえてみれば、ほぼ見当はついてましたが、ハゼでした。 左の写真だと、前の背びれ(第一背鰭)の先がとげみたいになってるのが目立つので、チチブ属 (Tridentiger) でいいんですか?…

それから、黒っぽいのと茶色いのと、2種類くらいいるような感じもしますが、 このへんは大いに怪しいです。 なにぶんにも「ハゼは難しいので有名」ということで、 これ以上の詮索は、当面保留ということにします。

2002/08/24 追記

下に紹介したサイトの向井博士に写真を見ていただいたところ、下記のお答えを得ましたのでご報告します。ありがとうございました。

また、こうした都市河川は、ちょっと気を使うといろんな生物が棲むようになるし、他のハゼもこの川にもいるのではないか、とのことでした。


ハゼについては、下記サイトが素晴らしいです。作者の向井貴彦氏は、ハゼ類が専門の研究者ですが、このサイトは写真図鑑などもあり、分かりやすく書かれています。一方、ちょっと突っ込んだ議論もあって、(ハゼ類に限らず)分類・系統・進化などに関心のある方には大変面白いと思います。

それから、以前にオンライン(@nifty の 自然観察フォーラム)で交わされていた議論の中に(というか話のとっかかりとして)、「ハゼは難しい」という話があります。


しかし、「こいつら、よくこんなとこでダイジョブだなぁ」というのが感想。 まぁ、水がそこそこキレイになった、ということなのでしょうが、 それにしても…。 また、なに食ってるの? というのも気になります。

なお、やはりこのへんの水には塩分が少し(10パーミル程度)入っているようです。


撮影: 2002/07/25, 26, 31 公開: 2002/08/22