本家コケムシです。なんで「本家」なのかというと、淡水コケムシというのはすごく種類が少ない。そしてそのほとんどが「掩喉類」(亜綱)といわれる特別のグループに限られます。要するにコケムシといったら普通は海産なのです。
(進化的には掩喉類が古いという話もあるから、本家というのはマズイか?いや、掩喉類は「元祖コケムシ」 ^^?)
ですから一口に海産コケムシといってもいろいろいます。ここにあげたのは、先日(2000/06/24)江ノ島で出会ったものですが、この時も全く違うタイプのコケムシも見つけています。
これは、前に出した群体ホヤと同じく、褐藻と思しき海藻に付着していたものです。ご覧の通りかなり派手。見栄えがいいので登場してもらいました。
上の写真は海藻からムシをはがして撮影してます。これはたまたま触手出してるのがひとつのようですが、複数が群体を作ってます(右の写真、横からみたところ)。
しかし、この右の写真はちょっと悪いですね。褐色の海藻に付いたままなので、どうもコントラストが付きませんでした。光も不足。
トップの写真では触手にピントが合っていて、下の方がボケてますので、左を見てください。これは触手が引っ込んで、少しだけ出ていますが、体の部分が良くわかると思います。
このコケムシは、「個虫」が互いに密着して群体をつくっています。左でも触手を出すのはひとつですが、複数個体があるように見えます(真相不明)。大きいやつだと、ちょうどタイルを敷き詰めたような感じになります。
こういうタイプは淡水コケムシ(掩喉亜綱)にはないです。 裸喉亜綱のどこに入るのか、調査途中につき詳細不明。唇口目?
触手の拡大を示しました。毛が生えてるのが分かると思いますが、これがコケムシの触手の特徴。中も中空だそうです。全体の形はヒドラとかイソギンチャクとか、刺胞動物と一瞬似てますが、この点も全然違います。
コケムシはこの繊毛で水流を起こし、水をろ過してお食事するというおとなしいスタイル。ヒドラなどは触手にある刺胞を発射して獲物を捕えてしまう(獰猛ですねー ^^;)。
なお、トップの写真のように、触手が円形に配列してるのは裸喉亜綱の特徴です。掩喉亜綱はU字型に配列します。