Last update: 2000/11/02
あまり自信はないが、橈脚類(かいあしるい)即ち、ケンミジンコの仲間だと思う。発見場所は実は不明。まわりに写ってるものを見ると、勤務先にある水槽のフィルタあたりか?
「橈脚類」の読み方については別項Copepoda 「橈脚類」は何と読むかを書きました。
左が頭部。右は腰(?)のあたり。本の図で良く見るようなブドウ状にはなってませんが卵じゃなかろうか。[ブッブー。正解は下(1998/12/01)を見よ]
ビデオをSnappyしてこれだけ写っているので、あまり動きはなかったはず。方向を変えたりしてもっと撮影しとけばよかったけど、これだけ。2枚の間はギリギリつながってるかどうか、というところ。
(click images to enlarge. each about 50KB.)
1998/11/16
ソコミジンコ類の一種と判明(学芸員1号さん、いつもありがとうございます)。森林土壌、海岸砂浜などに結構いる、とのこと(水でびしょびしょの苔、とか海岸の砂とかを洗うと出てくる)。言われてみれば、余ったウィローモスが大量に入っていたタライの水を見たことがあって、そのときの写真のような気がします。
しかし、これがソコミジンコだったのか! 「ヒョウガソコミジンコ」の話を坂田氏の本で読んだり、「ミジンコ管弦祭」で講演を聞いたりして知ってたのですが、お仲間にはもう出会っていた・・。それに、「ヒョウガソコミジンコ」をやってる東工大の幸島研究室って、謎のムシことフシダニもやってたりする。不思議につながってるなあ。
分類はまあ、あきらめた方がいい、らしいですね。でもお腹の物体の正体はホントに卵?
その後、茨城大の菊地先生に写真を見ていただいたところ、次のようなコメントを頂きました(ありがとうございました>菊地先生)。
最初、「陸生の種は7つしかないですから…」というようなお話だったのですが、結局、上のようなことに落ち着きました。やはり同定は実物がないとだめですね。固定はアルコール(70%)でもホルマリン(5%)でもいいそうです。
でも、とにかくお腹の物体は卵じゃなくて精子鞘であることが分かって、すごく嬉しいです。Webpageやめられません(!)。
ソコミジンコ一般については
という冊子の中の菊地先生の解説が大変参考になりました(私は「ミジンコ管弦祭」会場にて入手! とてもいいパンフレット)。陸生の種については、
で7種が検索できるようになっています。なお、日本の土壌でこの類が初めて気づかれたのが1966年ということです(土壌動物学、青木淳一 p.212)。
ついでに見ていただいた写真(上のと同じサンプル)。これはNauplius stage のNII期あたりの抜け殻(exuviae)であろう、とのこと。
卵の次がノープリウス期(Nauplius stage)、これが6期。その次がコペポディド期(Copepodite stage)、これが5期。その次が成体。つまり、これは卵の次の次のぬけがら、らしいです。
補足です。なんでメスが精子をもってるの?ということですが、これはオスがメスをつかまえて、自分の精子の入ったパック(精子鞘=spermatophore:坂田明氏いわく「要するにコンドームね」)をくっつけるらしいです。オスはそのためにメスをつかまえる「把握器」(第一触角にラグビーボールのような付属物がある)を持っているとか。こういうパターンの精子のやりとりは他にも結構あるみたいですね。
1999/02/08
再びご対面!
左のほうは発見時に撮影。動きまわるので、うまくとれたのはこれだけ。例のベローズ+4x対物レンズ(トリミングあり)。右は固定した後発見した小さい方。普通の顕微鏡で撮影(100倍)。実際は左のものの半分位の大きさ。発育段階?
今回見つけた場所はトビムシがいた水槽で、ご覧のような状況(上からのぞいたところ。お恥かし)。スライドグラスにピンセットでつまんだイトタヌキモ(と、くっついてきた藻)をのせ、撮影しようとして発見。前回のものと同じかどうかは全くわかりませんが、ソコミジンコに間違いないと思います。70%アルコールで固定したところ、2匹いたのが分かりました。しかし、やってみて分かったけど、小さくて扱うのが大変です。
1999/02/27
標本を見ていただいたところ、種名は解剖しないとなんともわからないそうですが、Shizopera属であるとのことです(ありがとうございました>菊地先生@茨城大)。でも、これってどんな連中?
よく見たら、藻にくっついていくらでもいる感じです。
撮影: (s) 1998/06/05, (d) 1999/02/07 公開: 1998/11/14