Last update: 2003/04/26
白色発光ダイオード(以下 白色LED と略)は、従来の豆電球などと比べると、・色温度が高い(白っぽい光)・熱をあまり持たない・電池を食わない、などの利点があります。最近のはずいぶんと明るいです。広い範囲を照明するのは無理ですが、観察や撮影用の補助光として大変便利に使えます。
LEDにはいろいろなものが出回っていますが、秋葉原とか東急ハンズで、とりあえず「白色で明るいのをくれ」と言えば使えるのが手に入ると思います。値段は一個200円から600円位だと思います。
もう少し細かい事をいうと、まず、光が小さなスポットになるものと広がるものがあります。また、形状は普通丸くて、5mm、3mm径の2種類ですが、ほかにフラットタイプもあります。更に色温度が違うものなどもあるようですが、この辺はお店の人もあまりわからないようです。一般にはちょっと青っぽいやつが多いみたいです。
LEDは長い方の足を+につなぎます。秋葉原などで普通に手に入るものは、3.5V 20mA程度が標準(定格)のものが多いようです。電池2本(3.0V)を直結するだけでも十分な明るさが得られることもありますが、多くの場合、電池4本にして100から200Ω程度の抵抗を入れて使った方がよいようです。 特に明るくしたい時は、短時間なら100mA程度流せるようです(あくまでも自己責任でやってください)。
学生実習用とか古い顕微鏡の光源として大変便利です。なにより小さいし、電源が電池なのでじゃまになりません。透過光で使うには十分すぎる位の明るさです。
実は市販のLED照明装置もあります(中村理科工業)。これはコの字型の板に白色LEDと電池ボックス(2本用)とスイッチだけ付けたもので、ミラーにかぶせるようにして使います(観察用としては目を傷めないか気になる位明るい)。
私の顕微鏡の場合、コンデンサレンズの下のフィルター枠に(フジの)フィルムケースの蓋がぴったり合うので、ここに5mm径の白色LEDを1個固定しました。もちろん不要な時は取り外せます。電源は電池4本ですが、明るさを絞れるように、10KΩのボリュームも付けました(眼で見る場合は必ず必要だと思います)。
緑色などのLEDも付けられるようにしています(緑色は、レンズの収差がもっともよく補正されているといわれるので、特に解像度が必要な場合などに使う。上左)。
2003/04/26 追記
別口のをつくりました(実習顕微鏡用LED光源装置)。
普通の照明として使う場合は、透過光で使う時より明るさが欲しいです。電源はやはり単三4本で、顕微鏡用のとほぼ同じですが、暗くできるようにはしてません。いつもは10から20mA程度流れるようにしていますが、別にスイッチをつけ、シャッターを切る時は100mA程度流せるようにしています(抵抗10Ω)。
LEDは小さく軽いので、レンズ先端に固定して標本を至近距離(数mm)から照明することができます。これはベローズを使った装置で、高倍率の場合に使っています。
普通の顕微鏡で落射照明をやるのには、フラットタイプのものが都合がいいです。対物20倍まではまぁ大丈夫です(40倍だとちょっと無理)。この場合、微妙な調節をするために、レンズでなくてステージに固定するようにした方がいいようです。
ほかにもいろんなタイプを作りましたが、正直なところ、あまり凝るよりも簡単なものの方が融通がきいて使いやすいです。コシのあるワイヤをLEDのリードにハンダ付けしてチューブをかぶせ、クリップで適当な場所に止められるようにしたものなどが便利です。
公開: 2001/01/08