歩くクマムシ

Home
Last update: 2008/04/13
waterbear's face

どこかで見たような顔


「極限環境にも耐える最強のムシ」とかよく言われて、結構有名なクマムシ。 強いからクマなのか、と思ってる方がいるかもしれませんが、多分違います。

通説では,ドイツ中部の小都市クヴェートリンブルク(Quedlinburg)の司教代理Goezeが「Kleiner Wasser Bär(小さい水クマ)」として報告したのがクマムシのもっとも古い文献記録(1773年)とされている。
(野田さんのページ参照: http://cxj11255.hp.infoseek.co.jp/phyla/tardigrada/

つまり、みつかった時から「クマムシ」。英語でも Waterbear、水クマ。実際みると、確かにクマです。動画をどうぞ。


ただ、クマにしてはちょっとせわしいですね。グループの名前は「緩歩動物」なんですが。

この脚の動きがわからないので、体を横にしてジタバタしているところをスローモーションにしてみました(約 10:1)。ただし、普通に撮影したのを無理にのばしていますので、動きはカクカクしています。なお、クマムシを拘束するようなことは何もやってません。実は、上の動画のようにスムーズに歩く方が珍しいくらいです。コケの中ではどうかわかりませんが。

こうして見ると、まず、一番後ろの脚はほとんど動いていません。前の三対は 3番目 → 2番目 → 1番前、というふうに、体をゆらしながら次々に動かしてます。前から後ろでなくて、後ろから前、です。この動き方がわかったのはちょっとうれしい。左右の関係は、残念ながらはっきりわかりません。基本的にはずれていて、時々同時に同じ位置の脚を動かす、という感じのようです。(ここの記述、とても怪しいです。もっといろいろ見てみないといけないです。あまり信用しないでくださいね。)


なお、この動画のムシの正体についてはほとんど検討してません。 真クマムシ綱 Eutardigrada のやつだろうとは思いますが、それも自信なし。 トップの静止画は最近の撮影で、動画とは別のムシですが、こちらも同様。藻類を食べてるのか、おなかが緑色ですね。

観察したい方へアドバイスをひとつ。乾燥したコケを水に入れると出てきますけど、あんまり長時間入れておくと、結構死んじゃうみたいです。不死身じゃなくて。


2008/04/13 追記

先ほど岩波書店のページにクマムシ発見。クマムシが気になる人必読、鈴木忠さんの「クマムシ?!小さな怪物」の紹介ページです(もちろん私も読みました)。このページ、クマムシの顔とか動画のタイトル「歩くクマムシ」とか、ここと同じような感じになっていました。偶然とはいえちょっとまずいなーという気分。おわびと言うのもなんですが、アマゾンにリンクしておきますので、よろしかったらどうぞ。


撮影: 2005/07/19, 2008/04/01 公開: 2008/04/06