あるいはゾウの鼻…
久しぶりに顕微鏡ネタです。
埼玉県内の某池からアオミドロを拾ってきて、バットに入れていたのをしばらくして見たらこいつを発見。上の写真でご覧の通り、首を長く伸ばしたり縮めたり、クネクネさせています。
図鑑で見ると、「ロクロクビゾウリムシ」という和名の奴 (Lacrymaria olor ) がいまして、あーなるほど。 でも、原生生物情報サーバで本物の写真をみると、ちょっと違うかも。本物は、首の先にちゃんと頭がついてます。
ほかにもこの手の長い首を持ったものがいろいろいるようです。専門家は、この部分を「象の鼻」Proboscis といってるらしい。ロクロクビとは別目の ディレプタス属 Dileptus というのも似てる感じ(→ 追記参照)。
ま、ホントのところは良く分からないので、繊毛虫のなかの「リトストマ綱 毒胞亜綱(Haptoria)」の虫、ということで納得しています。(もう少し分かればいいなと思うんですが。お心あたりの方、教えて頂ければ幸いです)。
さて、上の写真、ビデオから取り込んだこともあって、画質がイマイチですが、動画だと首をくねらせる様子がかなり面白い(キモチ悪いかも)です。少々大きなファイルですが、どうぞご覧ください (rokurokubi.wmv 320x240 13sec 644KB)。
このビデオの最後の方で、クビに触られたのか、別の繊毛虫らしい虫が驚いたように逃げていく様子が写っています。明らかに異常な反応。これ、どうもこのロクロクビが食おうとしてたのではないか、と思っています。
毒胞(toxicyst): 肉食性毒胞類の繊毛虫(例:Didinium,Dileptus など)に見られる.細い管状で,防御と捕食に役立つ.
というものだそうです(岩波生物学辞典(第4版)「放出体」の項)ので、辻褄は合います。 それから、次の一連の写真をご覧下さい。これは上のビデオとは別のシーンですが、 a の赤い矢印のところ、小さな繊毛虫を、この下側に細長く写っているのがロクロクビの本体が飲み込んでいるように見えます。
a |
b |
c |
d |
e |
f |
g |
h |
実際は数分間にわたって、かなり苦労する感じで飲み込んでいます。分かりにくいですね。もう少し良い絵が撮れればよいのですが、例によってどうなるか分からないので、とりあえず出しました。なお、a から h は順番に並んでいますが、間隔は一定ではありません。
参考: 原生生物情報サーバ: 毒胞亜綱 Haptoria
http://protist.i.hosei.ac.jp/taxonomy/Ciliophora/Litostomatea/Haptoria.html
2005/05/04 追記
上記サイトに動画データベース(Protist Movie Database)がありました。動きがあると随分参考になります。でも、コレ!というのは見当たらず。
(更に追記)うちにあった堀田康夫さんのビデオ「ゾウリムシ」の中にも Dileptus の捕食行動があるのを発見。これを見ると、今回のは Dileptus じゃないみたいです。一番違うのは「象の鼻」が(ホントの象もそうですが)ぶらぶら動かすけれど、長さは変わらないところ。しかしそれにしても、私のと比べるのもおこがましいですが、堀田さんの映像は素晴らしいです。
撮影: 2005/04/27 公開: 2005/04/30