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皆様ご存知、フナムシです。場所は神奈川県三浦半島。なんか普通より動きが鈍い奴がいるなぁ、と思って良く見たら、ただいま交尾中。それで、普段なら近づけない距離で撮影できました。やや見難いですが、下にメスが見えます。
こうして見ると、体が平べったいところなど、やっぱりゴキブリと似とるなぁ、と思います。脚が多いのも不気味パワーを倍増させていて、上の写真では脚は6本写っていますが、この類(Isopoda: 等脚目というグループ)、本当は7対あるようです(って捕まえて見た事ないんですが…宿題)。
でも、同類で同じ数の脚がある、ワラジムシやダンゴムシは人気者と言っても良いのに、ちょっと気の毒な気がします。上の写真でも大きい目がなかなかのチャームポイントのような気が…(って無理がありますか?)。やはり問題は集団でのあの「ササッー」という動きでしょうか?
なお、上で「交尾中」と書きましたが、「日本動物大百科」(平凡社 1997, 第7巻 p.135) を見ると、「交尾の準備行動」としている、上と同じような(もっと良い)写真があります。何をもって交尾というのか、ということだと思いますが、いまのところ詳細は不明です。等脚目には生殖突起(陰茎)もあるそうです。
さて、実は、今回もっと驚いたことがありました。潮だまりの海水の中にフナムシがいたのです。左の写真をみて下さい。画面の右側 3/4 位が水の中です。水面が少し白っぽくなっていて、水面直下ではありますが、確かに水中にいるのが分かると思います。
よくみるとお腹側に泡がついているようですし、ずっと水の中でも無いでしょうが、水の中を動いているのにはかなりびっくりしました。もう少し深いところにいる虫もいました。ただし、陸上のように群れてはいませんでした。
そもそも、普通フナムシはもっと陸に近い岩場で見る気がします。なお、幼生は水中でも暮らせる、という話 (*) があるようです。しかし、特に小さい感じはしませんでした。やはり真相は不明。
(*) 横須賀市教育情報センターの「三浦半島の海辺の生き物ウオッチング」というページに記述があったらしい。また、「図解生物観察事典」(岡村ほか・地人書館)に「えらが常に湿っていなければならず、満潮時は海水中でも生活できる」とあるというが未見。
本当はもう少しいろいろ調べてから書きたかったのですが、勢いで書いてしまわないといつになるか分からない、ということで、また分かったら加筆訂正したいと思います。いくつか参考サイトをあげておきます。
最後に蛇足。フナムシの学名(属名)の "Ligia"っていうのは、どうも女性の名前らしいですね。Googleで画像検索してみて知りました。これはやはりちょっと、何と言いましょうかその…マズイ気が。