群体って訳ではないらしいけど、沢山いました。
ワムシについてはこれまでもいろいろ書いていますが、今回は「蛭型輪虫」。 体を伸び縮みさせて、ヒルのような動きをするというのでこの名があります。泳いだりもします。 実は、微小生物に興味を持って、初めて自分で調べて「あっ、これ!」と思ったのがこの連中。 どこにでも(ってのもナニですが、ちょっと汚れた感じの淡水ならたいてい)見つかるのですが、なかなか機会がなくて、やっと初登場となりました。
ワムシという名前の由来は、頭に繊毛が輪状に生えていて、これがクルクルするところにあります。 これで水流を作って、水中の植物プランクトンなど(?)を取り込んでいます。ヒルガタワムシの類は、この輪が左右に一つづつあります。
見ていると、ときどきこの部分を体の中にひっこめます。左の3枚は、それを再び出すところ。
関係ないけど、こんなに印象的な顔をしてたとは。特に真ん中の写真!
実際は、口は頭の後ろ側、肛門が前側、とか、「おでこ」に当たる部分に棒のようなでっぱりがあるとか、なかなか面白い体制をしています。横から撮影した写真(下左)と図を比べてみてください(反り方が写真と図は反対です)。
どっちが腹側になるのかな?というと、どうも、目やでっぱりがある方が背中側ということのようです。図に 'dorsal sensory projection' と書いてあります。変な感じですけど…。
after Buchsbaum, R. 1938, 1948. Animals without Backbones:1 p. 189. |
もうひとつ面白いのが、「歯」。この歯は我々のように口の中にあるのではなくて、「のど:咽頭」にあります(上の図で 'pharynx' とあるところ)。
また同じ本から図を引用します (p. 190) 。2枚の写真は、開いているところと閉じているところ。種によって細かなところが違うそうですが、基本的にはなるほど、っていう感じ。図と見比べてみて下さい。
でも、本当に面白いのは、これが動いているところ。画質はイマイチですが、ムービーにしました(WMVファイルなので、多くの方は大丈夫だと思いますが、見えない方はご容赦ください)。
ワムシのモグモグ 繊毛の動きもわかります (5sec. ca. 432KB)なお、狭い意味では、Rotaria rotatoria (Pallas) という種を「ヒルガタワムシ」という和名で呼ぶとのことです。しかし、今回のは種はもちろん、科だってイマイチ分からんなぁ、ということで、サブタイトルに Bdelloida(ドロヒルガタワムシ科、ミズヒルガタワムシ科、などを含むグループ)といれることにしました。