愛の星砂

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Last update: 2003/02/05
they looks like stars

星砂、太陽の砂…、扁平な砂?


bottle 修学旅行(の引率)で行った沖縄で、土産に「☆☆幸せを招く愛の星砂☆☆」を買いました(!)。色をつけた砂と一緒に入って一瓶80円也。

実は、「星砂っていうのはね…」と以前から話のネタにしたりもしてたので、 自分用に買っただけという、まぁ…。 本当は色砂は邪魔だったのですが、仕方ないので青いのを選択。 東京に帰ってから星砂だけよりわけて写真をとってみました。

突起が丸いものが多く、意外に「星」の形のものは少ないな、というのが第一印象。最初は、尖っているのがすれて丸くなったのか?と思ってたのですが、調べてみると別物のようです。このほか、平べったくて色が白っぽいものの3種類がとりあえずは区別できました。


Baculogypsina Calcarina Marginopora

さて、これらの砂は何者か?いろいろな話が出回っているようですが、ズバリ「有孔虫」という生物が死んで残した石灰質の殻、というのが正解です。星砂になる有孔虫は現生の生物、つまり今も生きている生物ですから、星砂は現在も作られつづけているものです。

ほほー、それじゃぁその「有孔虫」って何なの?と思った方、実は私、これまではっきり認識してなかったことを白状します。名前は良く聞いてて、「石油を探すのに有孔虫の化石を使う」とかそんな話も人にしてたんですが…。

結論から言うと、アメーバの仲間、カタツムリのように殻を持ったアメーバです。殻を持つアメーバは、ナベカムリとかツボカムリとかもいますが、これらは「葉状根足虫綱: Lobosea」というグループ。有孔虫は「顆粒根足虫綱: Granuloreticulosea」という別のグループに分類されています。
(参照:有殻アメーバ土壌性アメーバの殻)。

細い仮足内を顆粒が移動する。仮足は途中で枝分かれしたり,他とつながって網目状となる (一部には網目状にならないものもいる)。

というのがポイントのようです。有孔虫類: Foraminifera/Foraminiferida で約4,600種、大きいのから小さいのまでいるとのこと。化石のフズリナとか聞いたことありませんか?あれも有孔虫です(ただしあれは現生のやつはいないそうです)。

以上、有孔虫 Foraminifera In 原生生物データベース より引用
http://protist.i.hosei.ac.jp/taxonomy/Sarcodina/Granuloreticulosea/Foraminifera/

なお、上記ページでは Baculogipsina となっていますが、Baculogypsina が正しい模様。


それで、この有孔虫のうち、肉眼サイズになる大型のものが死んで殻を残すと星砂になるというわけ。上の写真で、左から Baculogypsina(星砂)、Calcarina(太陽の砂)、Marginopora(ゼニイシ)という名前になっているようです。

殻には穴が開いています。ただ、星砂や太陽の砂では穴がふさがっているように見えますが…。

close up of Baculogypsina close up of Marginopora

…と、一応書いてみましたが、下記のページが大変良くできていますので、詳しいことはぜひそちらをご覧下さい。大変参考になります。

特に「星砂の生物学」は必見です。生きている星砂の写真もあります。アメーバなのに配偶子作ったりするらしい。さすが愛の星砂、ナマイキですねぇ。


撮影: 2003/01/18, 30, 02/04 公開: 2003/02/05