怪しいやつ (Euphorbia sp.)

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Last update: 2003/02/16
strange Euphorbia

Euphorbia peplus ?(都内某所にて)


一口に生き物趣味といっても対象は様々ですが、 植物・野草関係は、園芸方面ともあわせて、最も人気のある分野でしょう。 本屋に行けば優れた図鑑や写真集が沢山売られていますし、 Webでも非常に多くの情報が得られます。

しかし、そういう分野であっても「普通の図鑑に出ていない」「正体不明」の怪しいものに結構出くわします。 これもそんな一つ。実は、数年前から気が付いていたんですが、そのままになっていました。 (もっと頻繁に観察に行けばいいんだけど、ですね…)

草丈は低くてせいぜい20cmくらい。ハコベとか、あんなのと似た感じ。ただ、茎や下部の葉が赤くて、まとまって生えているとそのあたりが赤っぽく見えます。

four inflorescences

まだ寒いのに、緑色で1mm程度の小さい花が咲いていました。これを見ると、多分 トウダイグサ属 (Euphorbia) だと思われます。

三日月形の「はなびら」(腺体)は、ナツトウダイ (E. sieboldiana) のようですが、色は赤くありません。

こういう形の腺体をもつものには、帰化植物の チャボタイゲキ: E. peplus というのが文献にありますが、どうでしょうか…。(日本帰化植物圖鑑 p. 104, 神奈川県植物誌 2001 p.932, 日本帰化植物写真図鑑 p. 172) この手の、新しく入ってくるのものは沢山あるので、違う可能性もありますけども…。


side view of the cyathium female flower elongated

なお、トウダイグサ科の「花」は、植物学的には「花序」(花の集合)で、特に「杯状花序: cyathium」と呼ばれます。

おしべ、めしべに見えるのが、それぞれ退化した「花」で、それが枝先が変形したつぼ状の構造に入っている、と考えるわけです。 そして「はなびら」は蜜を分泌するというので「腺体」と呼ばれます。

右側の写真では、雌花がのびて、つぼから飛び出しています。



Web上の E. peplus 関連情報をいくつか、以下にメモ。とりあえず絵合わせということで…いろいろ回って、今のところ一番印象が近いのは、南アフリカのサイトにあった画像です。(http://www.museums.org.za/bio/images/enb4/enb04814.jpg)。下記のページにあります。

ただ、同じ E. peplus としてあっても、ずいぶん印象が違う写真もあります。赤いのは紅葉みたいなものなんでしょうか?関係ありませんが、この BioImages というのはなかなかよいですね。

種子はどうなってるかとか、もっと観察しないといけないのですが、書いておかないと忘れちゃうので、とりあえず記事にしました。なにか分かったらご報告します。また、この件で情報をご存知でしたら教えて下さるありがたいです。


撮影: 2003/02/15 公開: 2003/02/16