Spring has come! (Bufo japonicus)
今年は随分寒い日が続きますが、春は来てしまいました。東京の街中でも、ヒキガエルの産卵が見られました。まずはとりあえず、「ギャラリー」ということで、どうぞ。
右上などは、陸上で(1匹見えませんが)四つ巴。左上も良く見ると3匹います。メスが少ないので、こういうのは別に珍しいわけじゃありませんが、うーむ…。
ときどき誤解されている方がいるのですが、これは「交尾:copulation」ではありません。えっ、とお思いの方、つまりですね、大部分のカエルは、メスの体内に精子を送り込んでいるのでなく、単に刺激して産卵させるだけ。精子は産卵された卵(のある水中)に放出するだけです。ですので「抱接:amplexus」という用語を使います。ラテン語の「抱擁」から来てるそうです。
ものの本によると、メスが絞め殺されることもよくあるといいます。「死の抱擁」って訳でしょうか。
なお、ペニスなしでの交尾というのもあります。鳥類の多くはペニスがないものの、雄と雌が互いの「総排泄孔」を接触させて精子を送り込むので、「交尾」になるとのこと。
カモ、キーウィ、ダチョウとその仲間、ヒクイドリの仲間、ホウカンチョウ、などはペニスを持ち、フラミンゴやサギの仲間には痕跡的なペニスがあるそうです(出典:A&H クリュックシャンク 鳥についての300の質問 ブルーバックスB499)。
今年は産卵直後の卵がほしかったので、2月頃からカエルカエルと騒いでいたのですが、初めてご対面が2月15日。これは都心の某公園で、すでに多くの卵塊があり、抱接してる個体が多数見られました。
それ以来、勤務先(東京都江東区)の小さな池を毎日見張っていたのですが、一匹初めて来たのが、2月27日。そして初めて産卵したのが、3月8日朝。水温6度。
なんで3週間以上もずれてるのか、不思議に思っています。公園は湧き水でもあるのかな?と思ってましたが、好奇心 on the web によると、2月10日初見、2月19日夜産卵、となっていました。年によってズレがあるという記述もあって、それは分かるのですが、同じ東京で結構違うのは面白いなと思いました。
ヒキガエルについては、有名な本があるのでご紹介。実はまだ拾い読み状態なんですけど…。
どちらも素晴らしい本で、前者は生態、後者は行動生理を主に扱っています。対象の動物も読者層も同じなのですが、いろいろな面で違いがあって、そういうことでも大変興味深いです。
発生の観察もちょっとだけしたのですが、それは別に書くことにします。