トウキョウサンショウウオのたまご

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Last update: 2002/03/31
egg capsule of Hynobius tokyoensis

クロワッサンが2つ。手の指くらいの太さ。


先日、先輩のK氏に誘われて、千葉県下某所でトウキョウサンショウウオ (Hynobius tokyoensis) の調査を見学してきました。

egg capsule

調査の内容を簡単に言えば、調査地を回って彼らが卵(卵のう)をどれだけ産んでいるか、その場所の環境を調べながら数える、ということです。

産卵は、山と田んぼの境目の溝などの止水で行われます。田んぼがきちんと耕作・管理されていた時代は、人間の活動によって彼らの産卵に都合のよい環境が提供されていた、典型的な「里山の生き物」である訳です。しかし、最近の社会的な状況から、休耕田も増え、産卵場所が少なくなってきているようです。

また、今年は例年にない暖冬だったため、その影響もあったようです。水が少なく、浅い水溜りから空気中に出ているようなものも見られました(左図)。

産卵数は例年に比べて相当少なかったとのことで、なんだか、ちょっとこの先が心配な感じでした。


egg capsule of Bufo

さて、「卵のう」と言ってますが、要は卵が入ったカプセルです。一つの卵のうの中には、数十の卵が入ってます。上の写真では、もう細長いオタマジャクシの形になってるのが、よく見ると分かります。

卵のうが2つあるのは、左右の卵巣からひとつづつ、つまり一匹のメスが両方産むとのこと。ホントは水中の木の枝とか石にくっつけるらしいです。

しかし、この卵のうは何でこんな格好してるんでしょうね?

右の写真は、ヒキガエル(多分)の卵のうですが、こちらはひも状で、ぐにゃぐにゃです。あ!これも2本あるんでしょうかね?

これに比べると、トウキョウサンショウウオの卵のうの皮は、かなりしっかりしてます。流されにくい、ってもともと止水だし…。それに、おなかの中からこの格好?



以上、せっかく写真撮ったんだし、ということで ^^; ご報告でした。トウキョウサンショウウオに関心のある方は、次のサイトがあります。いろいろ勉強になりますので、ちゃんとした話はそちらをご覧下さい。成体の写真も、もちろんあります。


撮影: 2002/03/28 公開: 2002/03/30