今回はまぁ、ご説明は不要というか、この「風格」をご覧頂ければよいかと思いますが…
スーパーで買った寄せ鍋のタネに入ってたものです。 一般的には「イイダコ」と称されているもので、Webでも、 「スーパー量販店向商材」イイダコパック180g なんてのが出てました(徳島の 魚敏水産 のページ)。 このパックのやつはタイ産とのことで、私が食べた写真のものもそうかもしれません。
そうだとすると、最近、東南アジアから輸入されているという コツブイイダコ (Ocutopus membrenaceus) ってやつでしょうか? 文献には当たっていませんが、卵が小さいので区別でき、体も在来のイイダコ (O. ocellatus) より小型ということのようです。
http://www.kataoka-net.co.jp/mezurasiisakana17.htm#iidako (片岡鮮魚店)
タイのイイダコについて、次のページを発見。この方も卵は見たことがないとのこと。(2002/12/27)
http://www.payap.net/kaigyo/okano/09.html
(タイの海を喰らう 第九回 イイダコ In: タイ国さかな歳時記)
図鑑で日本のイイダコを見ると、「全長200mm、胴長40mm位で…」とあります(原色動物大図鑑、北隆館 S.32)。しかし実際はいろいろあるようで、これまで小さいのしか取れなかったのだが…というような話も見つけたので、リンクしておきます。
http://www.h4.dion.ne.jp/~akirakun/iidakonosyasinn.htm (あきらくんのボートフィッシング奮戦記)
以下、タコの体のつくりなどについて書いておきますが、何しろ付け焼刃なので、変なことがありましたらどうかご指摘下さい。
まず、「頭」に見える部分は「胴体」で、ホントの頭は、その下の目玉のある(写真のやつは調理でどっかへ行っちゃったのか?)部分です。イカもそうですが、頭から足が生えているので「頭足類」という訳。
それから、とんがらかしているように見える「口」は「漏斗」と言って、海水やら墨やらを吹き出す部分で、ホントの口は8本の足の真ん中にあります(写真の丸くふくらんだところ)。
ちなみに、タコは甲殻類やら二枚貝やらを食べる、かなりグルメな奴だとのこと。一方、白いものに興味を持つので、ラッキョウや白い瀬戸物、果てはヒガンバナの鱗茎で釣る、という話も聞きます。
http://www.asahi-net.or.jp/~uu2n-mnt/yaso/yurai/yas_yur_higanbana.html (MINATO'S HOME PAGE)。
ついでにメモ。例の「タコツボ」、現在イイダコにはあまり使わないようですが、場所によっては貝殻を壺として使う漁法があるようです。
http://kaizin.gogo.tc/Main/gyohou/tubo/tubo.htm (海人倶楽部)
また、海中や遺跡から小さな壺が出たりするとのこと。
http://www9.plala.or.jp/vintage/iidako.html (せぴあワールド)
http://www.e-machi.gr.jp/history/kokogaku/toku3/war21.htm
(いいまちLibrary 絵で見る考古学 戦争がはじまった(弥生時代))
オスメスの違いは、オスの場合、8本の足のうちの1本が「交接腕」と言われる特別なものになっていて、途中までしか吸盤がなく、先端が変形している、とのこと。この腕(足)を使って、精子のパックをメスの体内に送り込むんだそうです。でも、マダコの解剖図を見ると陰茎もある…形がソレだというだけか?まぁ、胴体の中にあるんじゃ… 。
また、イイダコに関しては、「成長した雄では腕は雌に比べて著しく太く、又吸盤は目立って大きい」とのこと(原色動物大図鑑、北隆館 S.32)。 そうすると、これはメスのようですが、種も違うみたいだし、成長途中かもしれないし、何とも言えないように思います。卵はなかったですけど。
今回、Webを調べて見つけたタコのページをいくつかメモしておきます。このほか、料理とか釣りとかのページが沢山ひっかかりますけど…。
Webではありませんが、イカとタコの大図鑑が出てるそうです($48.95@amazon.com)。買おうかしらん?(ネタ元:http://www.syuns.com/bbs11/messages/367.html)
最後に余談(というか、今回全部余談?…)。夏目漱石は胃潰瘍にもかかわらず、講演先でイイダコを食べ過ぎて、病院に運ばれたという話が書いてありました(人間図鑑)面白いけど出典不明です。俳句も残しているそうですね。なお、「飯蛸」は春の季語とのこと。また調べがついたら報告します。
岩波の漱石全集 第17巻 (1996) を見たところ、次の五句があがっていました。(2003/02/04)
飯蛸の頭に兵と吹矢かな (明治29年)
蟹に負けて飯蛸の足五本なり (明治29年)
飯蛸の一かたまりや皿の藍 (明治41年)
飯蛸や膳の前なる三保の松 (明治41年)
飯蛸と侮りそ足は八つあると (明治41年)