オスでした(Hydra sp.)

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Last update: 2000/04/04
male Hydra

だんだん暖かくなってきました。本日東京は桜の盛り。ヒドラの容器をふと見ると、左のようなやつを発見。首というかムネというか、そのあたりにご注目。なんだかオッパイみたいなのがついてるぞ!

おー、これこれ!やったぁ、オッパイならぬ精巣ですねぇ。以前に資料で見たことあったけど、実際のご対面ははじめてで、感動!

資料:野田幸一 1996 エヒドラ (「動物発生段階図譜」石原勝敏編著 共立出版 pp.12-22)


このヒドラは多摩川近くの水溜まりから採集した野生モノ。去年の秋口から飼ってますが、これに気づいたのは昨日がはじめてです。 上記資料によると、

自然界では季節的に、実験的には温度変化によって性分化を誘導できる.温度変化にも上昇型と下降型がある.

とあるから、やっぱり春のせいでしょうかね?室内に置いておいたので、水温は最低でも10度C程度、光は特別に当ててません。それでも春をちゃんと感じたのかな?不思議なもんです。

エヒドラは温度下降で性分化という話なので、それではないようですが正体不明。日本には5種類いると聞いていますが、ちゃんと同定するのはかなり大変そうなので、とりあえずヒドラでいいやぁ ^^;

ちなみにエヒドラは温度下降型で、一旦性分化したら必ず死んじゃうというけど、温度上昇型は再び無性生殖系に戻る、と書いてあります。こいつは大丈夫かな?(ちょっと心配)。


male gonads

拡大すると、こんな感じ。エヒドラの図よりちょっとぺっちゃんこ。時間がたてば膨らむのでしょうか?それとも精子がでちゃった後?黄色っぽいのもちょっと気になる。

それにこうなると「メスはいないか?」というのが人情で、水槽を捜してみました。しかし、残念ながら今のところいません。でも性転換する例もある、とかなので少し期待してみます。


tank population

最後に飼育状況の図。左が全景。ほぼプラナリア容器と同じ。大き目のタッパーにスポンジフィルタ(にエアポンプ)使用。黒っぽいのは採集の時とってきた落ち葉、ほかサンゴ砂やらも入ってますが、これは多分あまり関係なし(石英砂、と前に書いてたのはウソ)。

最初はもうニオイがするようなすごい状態で、ヒドラも死んじゃったか、と思ってしばらく放置してたのです。当然水替えも(多分)なし。いつのまにかふえてました。特にスポンジ周辺に多いです(右)。

ということで全くエサをやってませんでした。何食べて殖えたんでしょね?これから少しあげようかな(もうひとつ普通のガラス容器で飼ってるほうには時々アルテミアなどをあげてます)。


撮影: 2000/04/04