有殻アメーバ

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Last update: 2002/05/26
2 amoebae

有殻アメーバ(2種?)


a stone in water there are many 'dots' しばらく水につけていた石の表面をよく見ると、茶色いツブツブが沢山。拡大してみたら、有殻アメーバだったのでした(上図)。

みなさん、実際に見たことがあるかどうか別にして「アメーバ」はよくご存知と思います。単細胞で不定形、「アメーバ運動」で移動。この仲間に殻をかぶったグループがあって、それが「有殻アメーバ」(そのままの名前やん)。



animation by JavaScript

アメーバだったら動くだろう、ほんとにィ?
という方(そうでない方も ^^)上のボタンをどうぞ。5分間隔で撮影した約90分間分の動きが見られます(total 195KB ca. 左図)。

(JavaScript1.1を使っています。またNN4などでは、画像自動読み込みも有効にしないと動いてくれません。すみません)。

あまりはっきりしないけど、一部、偽足の動きもわかるような?たとえば最終画面矢印の個体などにご注目。



さて、「有殻アメーバ」とひとくちにいっても、大きく分けて

の2つがあるらしくて、偽足を調べないとどっちかわからないこともある、とのこと。偽足っていうのはアメーバの伸びてく先端ですが、それが尖っているか、いないか。

要するに広義のアメーバ(根足虫類 RHIZOPODEA)は、まず偽足の形(棍棒状or葉状 vs 糸状or針状 (vs 網目状))でわけられてます。殻のある・無しはその次の話らしい。

普通のアメーバはとがってない方(変形虫)で、有殻も一般にはそっちが多いようです。この写真のは何かな。「ナベカムリ:Arcella sp.」ではないかと思ってるのですが、トップの写真左側個体のトゲトゲみたいなのが(偽足ではないと思うけど)少し気になる。 →2000/08/15 追記を参照

ちなみに、アメーバ類、特に同じく有殻変形虫類の「ツボカムリ:Difflugia sp.」はクマムシの天敵だとか。

この項は 川村日本淡水生物学(pp.159-170, p.362 など)を参考にしています。


2000/08/15 追記、08/17 補足

どろおいみじんこ さんから、この写真はナベカムリ:Arcella ではなく、ほぼ確実にフセツボカムリ:Centropyxis の一種であろう、とのご指摘をいただきました。貴重なコメントなので、要点を以下に示します。

参考: http://taxa.soken.ac.jp/WWW/PDB/PCD1478/C/32.jpg
原生生物情報サーバに登録されている、表面の模様が分かる写真(A. hemisphaerica)です。
なお、このサイトではCentropyxis の和名は「トゲフセツボカムリ」とされています。(2000/08/17)

Centropyxis 左の写真は私が以前撮影したもので、Centropyxis aculeata と同定いただいたものです(つぶれたのか、一部こわれてます。また、刺の数は変異があるとのこと)。これの印象が強く、またナベカムリを実際に見たことがないのが敗因ですね。照明の仕方でずいぶん違うことは分かっていましたが、改めて実感。

また、有殻変形虫類 ARCELLINIDA と有殻糸状根足虫類 GROMIIDA の区別についてもご指摘いただきました。 両者は、殻を見ただけでどっちに属するものか、大部分は判断できるそうです(区別が難しいものとしては、ニセツボカムリ Pseudodifflugiaなど)。


更に、別項の「たまねぎ」についても、アメーバの殻ではないのではないか、付着の仕方も違う、菌類など全く別ものかも、とアドバイスをいただき、解決しました(どうぞご覧ください!) ^^;

どろおいみじんこさん、本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いします。


2002/05/26 追加

最近、ナベカムリ (Arcella sp.) も見つけましたので、写真を出しておきます。
http://www.ct.sakura.ne.jp/~gen-yu/2002/arcella.html


撮影: 1999/10/03, 2000/04/23 公開: 2000/05/05