Last update: 1998/11/25
寒天を放っておいたら出てきたカビ。お恥ずかし。でもキレイなのと不思議な形に驚く。残念ながら1回みただけ。
「キノコの世界」5(週刊百科植物の世界別冊:朝日新聞社)のp134に出ている、Curvularia sp.というのが一番似てますが(これだけじゃね)。 低倍率だとこんな感じ。
1998/11/11
ちなみに、「不完全菌類」(不完全菌亜門)という名前ですが、
有性生殖が不明なもの。無性生殖として分生子ができる。アオカビ、コウジカビなど、ほとんどのカビらしいカビがはいる大群。
とあります(「カビの不思議」(椿啓介著、筑摩書房1995、p.198)。分生子っていうのは要するに胞子ですね。つまり、分類に最重要である有性生殖が不明なんだから、分類できない、すなわち「不完全」な菌類、という訳らしいです。
1998/11/12
「キノコの世界」の解説をしておられる安藤先生に、ずうずうしく質問したところ、お答えをいただきました(本当にありがとうございました)。この写真で見る限り、Curvularia 属に近い、Alternaria属の菌だろうとのこと。Curvularia 属では分生子に横隔壁しかないが、Alternaria属では横隔壁と縦隔壁を共有しているのが一つの特徴とのことです。
1998/11/25
「カビと酵母−生活の中の微生物」(八坂書房 1998)にAlternariaの情報が出てました(堀江義一「人カビ毒に会う」p.208)。
(前略)穀類が畑などで稔ると最初にその植物の病原菌などとして、植物上に生育していた菌に汚染される。代表的な菌としてはアルテリナリア(Alternaria)、フザリウム、トリコデルマ(Trichoderma)などである。これらのカビは「圃場カビ」と呼ばれている。しかし、圃場カビは穀類が収穫され、乾燥後長期にわたって貯蔵されると数を減らしていく。(後略)
ふーむ。「圃場カビ」ね。カビ毒生産菌ではないようです。
撮影: (vp) 1996/03/23