Last update: 1999/03/26
うちの水槽にいたヒル。ガラスに張り付いているところを撮影。この状態で体長7〜8mmといったところ。なんとなく右が頭のような感じだが、実は左のとがった方が頭。右端の口みたいなのは後吸盤(Posterior sucker)。「あばら」のように見えるのは胃側盲嚢(gastric caecum)? このへんは北隆館の図鑑(p.564)を見ての判断。違ってたら教えてくださいね。
ヒル綱の分類(北隆館の新日本動物図鑑による)。
このヒルは吻蛭目のグロシフォニ科(主に淡水生)のやつだと思います。ひらたびる(Glossiphonia complanata)というのがいちばんそれらしいのですが、大きさがやや小さいのが少し気になります。
ヒルはすべて雌雄同体。吻蛭目の生殖は、精包を相手の体の表面に付着させる間接的交尾で行われ、精子は皮膚を通し体腔の間隙を経て卵巣に達する、そうです。なんかすごいな。
顎蛭目のやつはちゃんと陰茎による直接交尾をするとか。 喉蛭目、顎蛭目の若干の種が陸上に生活する(ヤマビルなど)、というので、それと関係あるんでしょうね。
歩いてるところ(右が頭でそっちに移動中)
グロシフォニアといえばこの方(fmizubeの奥村さん)。食事(主食は小さな巻き貝)とか繁殖の写真も沢山ありますので必見。こちらを見ると「背中に葉脈のような黒い線」とあるのですが、あまり覚えがありません。大きさと共に、少し気になるところです。
DC-2Lにルーペをかまして撮影(ケラレが出てます。大きい絵ではトリミング)。画質イマイチだがこれはプラスチックの安物ルーペの責任(余談ですが、CoolPixあたりだともっとはっきり画質の劣化が分かります)。
幸か不幸か、その後うちの水槽ではお姿を拝めません。
1999/03/26 ハバヒロビル?
先日、久しぶりに水槽の掃除をしたら、2匹でてきました。皿にとってじっくり見たところ、「ハバヒロビル」(Gloosiphonia weberi lata)のようです(前のやつも同じだと思いますが、確実ではないです)。
根拠は、頭部の様子です。左の写真のホクロみたいなのが目らしいのですが、これが3対で、しかも2つづつ接近して一見3個のような感じになっています。
ヒラタビル(G. Complanata)のほうは3つづつ2列に並ぶ感じになっているらしいです。また、ヒラタビルでは雌雄の生殖口が離れているのに対し、ハバヒロビルでは一緒になっているそうですが、これは確認できませんでした。
「ハバヒロビル」という名前ですが、幅が広いっていう感じは全然しません。固定して縮んだり、ヒラタビルと比べるとそうなのかなぁ?なお、北隆館の新日本動物図鑑では学名が G. lata となっています。
これは背面からの写真ですが、腹面からも目が分かります。結構動くのであまりうまく撮れません(特にハロゲンのスポットライトつけたりすると)。顕微鏡用の4xレンズとベローズ使用。トリミングとレタッチ(アンシャープマスク)少々かけてます。
資料:川村多實二原著 日本淡水生物学 上野益三編修 北隆館1973 pp.356-361
撮影: 1998/04/28, 1999/03/22